2015年02月11日

「時をかける稽古場上映会」ご来場ありがとうございました。映像の力。懐疑の氷山の雪解け。


こんにちは塩原俊之です。珍しく明るいうちに更新。

さて、先日は「時をかける稽古場上映会」にお越し頂き、まことにありがとうございました。


劇場公演のDVD上映会って正直どんな感じになるんだろうなー?と色々不安はありましたが。。。
結果めちゃ盛り上がりましたね!
自分達が出てた作品を、会場でお客様と一緒に観て、しかもゲラゲラ笑えるのとか最高に楽しい空間でしたよ!
終わったあとに作品についてアレコレ喋れる時間がもっとあったら…と言うかそっちがメインでやりたかったかもと思うくらい楽しかったですわ。





キムラ自作のポップが超いい感じ。



演劇公演ってその時にしか観られない、その刹那的な瞬間がいいじゃんってそれももちろんあるんですけど、やっぱり自分は役者だし、自分が出た作品はもっともっと多くの人に観て欲しいって願望もあるわけですよね。そういう意味ではとてもいい場だったんじゃないかと。特にコメディは会場でみんなで笑い合うっていう共犯関係が生まれますからね。とても相性のいい作品だったのではないかと。

そんな中、もっともっと嬉しい言葉を頂きました。
「作品がとても面白かったので、公演の時に劇場で観れなかったのが残念。」
と。

そうなんです。演劇、やっぱ劇場でその場に一緒にいるのってマジで最高ですよ。
だから次回「紅白旗合戦」も是非劇場に足を運んでください(突然の宣伝w)






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そしてちょっと真面目な話。
(とても野暮な内容なのであまりオススメしません)
よく演劇は生じゃなきゃ〜とか舞台の映像はちょっと〜って意見が出ますけど。
そういうところに色々と一石を投じた作品になってるんじゃないかなと。
生もいいけど映像も強いぜ、ってのを見せ付けられました。
もちろん制作者の方がそう思って舞台やライブなんかを映像化してる作品は多々ありますけど、自分は結構懐疑的でして。
え、結局生のほうが良くね?この映像ってそれを越えられなくね?って思ってたんですね。
でも考えを改めさせられましたわ。
野暮ですけどもう具体的に何個か挙げちゃいますね。
・2wの座組がまだ見ぬネコソギ先輩について盛り上がってるシーンで、会話の中心ではなくそれを睨むアツシをカメラが抜くんですよね。ここで笑いが起こったんです。上映会で。これはもう完全に編集マンが獲った笑いなんですよ。
・全員が未来の携帯電話で情報を集めるシーン。ここで一人だけ異なった反応をするユキちゃんをカメラが抜く。本編を観て頂いた方は分かると思います、ユキちゃんだけみんなと異なる情報を得ているんですよね。
それを裏づけするように、2wの世界が6月の帝国にのっとられるシーン(アサコシがユキちゃんに耳打ちするシーン)でもユキちゃんが抜かれています。
・アサコシが5yのクマガイに「俺達全員を5年後に送ってくんない?」と提案するシーン。しばらくの沈黙のあと、5yのシオバラが損な役を買います「わかった」と。その間ずっとクマガイのアップの長回しが続くんですよね。ギュギュギュっと空気の詰まったシーンはあえて発言してる人を抜かずに受け取るクマガイの表情の長回しでグっと張り詰めさせています。
上に挙げた例はほんの一例なんですけど、こういう「エディター(編集者)が見所を指定」出来ることがまずひとつ、あといわゆる映像の文法や映像力学(富野監督が言うところの)を乗せることも出来るのが映像の強みだなと。現時点ではそう考えます。自分は。
DVD制作にご尽力下さった細居さんCTVさん、ありがとうございます。
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そんな時をかける稽古場DVDは、アガリスクショップで購入できます。
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演劇DVDって相場が3000〜4000円とかちょっと手が出にくい物が多いんですけど、今のところ「ナイゲン」「時をかける稽古場」ともにお求め易い2000円で販売しております。
final_omote.jpgstage35600_1.jpg
何個買って頂いてもどこから買って頂いても送料は一律500円です。
本当に、本当に、多くの人にアガリスクの作品を観て頂きたいです。
購入したDVDはご自分で楽しまれるのはもちろん、友達や家族や恋人たちと良かったら一緒に観てみてください。それで少しでも興味が沸きましたら、是非劇場に足を運んで頂けたら幸いです。
3月本公演もよろしくお願いします!!!

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その他関連リンク

【"時をかける稽古場"今作を支える二本の柱。◯◯×□□=??】
http://t_shiobara.blog.agarisk.com/article/398042328.html

【"時をかける稽古場"備忘録その1今作の考察。現段階での振り返り(かなり浅め)。】http://t_shiobara.blog.agarisk.com/article/399657789.html

【"時をかける稽古場"備忘録その2アートワーク全般。今作のキーはビニテと時計と黄色。】http://t_shiobara.blog.agarisk.com/article/399706930.html

【"時をかける稽古場"備忘録その3衣装。BackSpace Tシャツはあのロックフェスがモチーフ??】
http://t_shiobara.blog.agarisk.com/article/403255715.html

こりっち舞台芸術!で頂いた感想など
http://stage.corich.jp/stage_done_detail.php?stage_main_id=42145
posted by しーおー at 16:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 時をかける稽古場 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月06日

「時をかける稽古場」備忘録その3 衣装。Back Space Tシャツはあのロックフェスがモチーフ??

こんばんは塩原俊之です。

完全にコメフェスモードですけど、ありがたいことに意外とブログ読んでくれてる方もいらっしゃるみたいなんで備忘録もちょいちょい更新しますよ。

ナイゲンもまだまだ書きたいことあるんですけどねー。
遅筆なものでヘヘヘ



さて今回は衣装について。

と思ったんですけど、手元に資料があまりないので若干曖昧なアーカイブになってしまうことをご了承ください。


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注)
2w=二週間前
1d=一日前
5y=五年後
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【時をかける稽古場】備忘録その3「衣装」


1.今回の衣装テーマはズバリそのまま「稽古着」

前回アートワークでも少し触れましたが、本作の美術セットは演劇現場の稽古場そのものを再現して頂きました。
町や区の公民館などを利用してる団体が多いので、あんな感じになるんですよね。
なのでもちろん衣装もそれに合わせ稽古着、しかも大体が普段役者達が着ているものをそのまま使用しました。




2wの座組
011.JPG
第一回衣装合わせの日の写真。八割がたこのまま決まりました。
なるべくそれぞれが普段着ているものの中から、色やイメージが被りにくいものを。
アディダス三本線が三人もいるけどもw




オープニング(本番16日前の座組)
013.JPG
同じくこれも仮衣装案。
下は共通のもので、トップスのみ変更。
シオバラやコータはサッカーシャツ、カシマは身体のラインに添ったシルエットなどそれぞれのキャラクターに合ったものを。
スタッフ陣、演出助手のマエダや演出のアサコシは動きやすい服装に着替えていない。




5y

衣装写真ごめんなさい、手元になかったです。
クマガイ、コータ、シオバラともに印象がガラっと変わるもを選びました。





2.「Back Space」Tシャツのコンセプトはアレとアレ

そして1dの座組がこぞって着ていた「Back Space」の公演Tシャツがコチラ
130.JPG
(写真は物販用なので、背中にもプリントが入っている)

自分が考えた原案イメージを冨坂と沈に実際に絵に起こしてもらい出来ました。
公演Tシャツ、そして時間移動ものの本作とを掛け合わせて

ライブツアーT×ワームホール

というコンセプト。
演劇公演のTシャツっぽ過ぎるのを避けてあえてライブツアーT感を足してもらう感じで。
イメージとしてはアメリカのロックフェス「ロラパルーザ」のこのロゴ。
unnamed.jpg
(実際に自分が所持しているロラパルーザTシャツ)
これにタイムスリップを連想するワームホールのイメージを足して出来たのが上記の「Back Space」Tシャツ。

主の色が黒な事もあり、次々と座組がこの格好になっていくのはなかなかの恐怖感でしたよねw





全体的に、普段演劇現場を見慣れていない方にも「あ〜こんな感じなんだ〜」と思って頂けるようなチョイスが多かったんじゃないかなと思います。


posted by しーおー at 02:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 時をかける稽古場 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月19日

「時をかける稽古場」備忘録その2 アートワーク全般。今作のキーはビニテと時計と黄色。



備忘録第2回は「アートワーク」

前回ナイゲンと共通なのは、公演のテーマカラーを決めること。
ナイゲンは青×白でしたが、今回は黄色×白黒でしたね。

1.フライヤー
まず一番最初に出来上がったのがコチラのフライヤーデザイン。

final_omote.jpg

アガリスクのフライヤーではお馴染みモモナこと蒔田(旧姓:清水)桃菜が作成。

タイムマシンにもなったビニールテープと時計を掛け合わせたデザイン。
斜め使いのラインに
時を
かける
稽古場

の三行タイトル。


ここを起点にその他のアートワークが動き出しました。


2.特設サイト
特設サイトはこちらもアガリスク特設サイトではお馴染みミズキこと西川瑞己が作成。

各メニューの項目にマウスのポインタを合わせると、その部分が黄色のビニールテープで囲われるというオシャレ仕様!
無題.png
(上図では「設定資料」の項目の上にポインタを合わせている)

そして特設サイトの背景画には稽古場と思われる絵の上に黄色と黒の直線が何本も引かれています。
これが後ほど舞台美術へと繋がっていきます。
(よく見たい方は特設サイトへ!)




3.舞台美術
そして特設サイトに引かれていた何本もの線、これがまず舞台美術として立体的になります。
010.jpg
舞台美術は今回アガリスクでは初めましての本橋龍さん。
稽古場の外枠にはイメージカラーの黄色、そして今作のキーアイテムであるビニールテープで模様が描かれており、特設サイトの背景画が立体的に表現されています。



4.オープニングムービー
最後にオープニングムービーがコチラ。

映像はこれまたアガリスクではお馴染みピエール。
音楽はこちらもお馴染みてっちゃんこと三濱徹也。


モモナデザインのビニテが、ミズキのアイディアである縁取りデザインの形でアニメーションとして動いています。
ビニテがクルクルーっと回るのも細かく作ってありますね。


最初にメインカラーを決めた後に、各セクションのクリエイター達が膨らませて形にしていった。それが上手くいった素晴らしいアートワークでした。
各担当者さま、おつかれさまでした。そしてありがとうございました。



P.S.
オープニングのムービーには色々な秘密があります。
1.タイムスリップ作品を連想させる曲調3曲
2.タイムスリップ作品を連想させるアニメーション4作
3.一瞬だけ映るネコ型ロボット
全て見つけられましたか?
posted by しーおー at 02:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 時をかける稽古場 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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